小津安二郎監督の映画が好きです。
ラジオで小津監督の作品を神保町シアターで上映していると知り、
慌てて最終日に見に行きました。

「巨匠たちのサイレント映画時代」という上映企画で、
サイレント映画をピアノの生演奏で観るというもの。
『大人の見る繪本 生れてはみたけれど』が観たかったのですが、
日程的に終わってしまっていたので『東京の合唱(コーラス)』を
観ました。

tokyoco1.jpgtokyoco2.jpg




『東京の合唱(コーラス)』(1931年 日本)
監督:小津安二郎
出演:岡田時彦、八雲恵美子、斎藤達雄、飯田蝶子、坂本武、高峰秀子


昭和ひとけた、大失業時代の東京が舞台。
同僚をかばい会社を解雇されたサラリーマン(岡田時彦)は、妻と3人の子を抱え
職探しに奔走する。

※この先の記述は映画の内容を含みます。



小津作品でも、戦後のものしか観たことがなかったので、
最初はサイレント映画の動きに戸惑いました。
(重要な台詞だけ字幕になったりとか)

白黒でも不思議と自分の意識の中では色がついていて、
いきいきと登場人物が生活しているように思えました。

小津作品が好きなのは、生活の細かなシーンや画面の
細部まで気を配っていて、観てて当時の生活ぶりを
楽しめるところ。
特に着替えのシーンが多い!
帰宅するとは着替え、来客を迎えるといっては着替え。
まだまだ着物が普段着だった時代だからでしょうか?
会社のシーンでは、壁いっぱいに帽子がかかっていたり、
恩師が始める洋食屋(おなじみ、カロリー軒!)では
ナプキンに包まれたスプーンが配られたり、子どもが
熱を出して額を冷やすシーンでは、氷嚢が天井からぶら
下がっていることなどにいちいち驚いていました。

肝心のストーリーですが、解雇され、不景気な中で職探しが
困難ながらも大卒のプライドや世間体を気にしてなかなか
決まらない・・・という主人公の状況が、今の時代とあまり
変わらないので、とても身につまされる感じでした。

生ピアノ演奏に関しては、観ている最中はそのことを
忘れてしまうくらい違和感がなかったです。

余談ですが、神保町シアターの上映前の諸注意はとても
細部にわたっており、これにも驚きました。
(ポリ袋をいじる音に気を付けてくださいとか)
映画好きの人が多く観に来ているからなのでしょうね。


2012.01.13 / Top↑
Secret