原発について様々な意見が飛び交う中、緊急上映が決まり、話題に
なっていたドキュメンタリー映画を観てきました。

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『100,000年後の安全』(2009年 デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリア)
原題:INTO ETERNITY
監督・脚本:マイケル・マドセン
出演:T・アイカス、C・R・ブロケンハイム、M・イェンセン、
   B・ルンドクヴィスト、W・パイレ、E・ロウコラ


フィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の
最終処分場―"オンカロ(隠された場所)"。
安全な状態になるまで10万年間かかると言われる放射性廃棄物を処分する
ため、フィンランドは世界初の「永久地層処分場」建設を決定した。
固い岩盤を掘削し地下500メートルにまるで地下都市のような巨大な施設で、
廃棄物は人工バリアに入れられ10万年は隔離されるという。
オンカロに世界で初めてカメラが潜入し、危険な廃棄物を果たして10万年間も
安全に人類が管理できるのかという問題を、最終処分場の当事者たちに問うた
ドキュメンタリー作品。

※この先の記述は映画の内容を含みます。
まず、「面白かった!」と思えるような映画ではない、と断っておきます。
人によっては退屈に感じるかもしれません。
でも、私はやっぱり観てよかったと思いました。

北欧らしい静かなタッチの美しい映像のドキュメンタリー映画で、
冷たいフィンランドの空気が伝わってくるかのようです。
画面が美しいから、静かだから、何か非現実的な雰囲気の中で
映画が進むので、当事者たちが話す言葉の意味を、変な恐怖を
持つのではなく受け止められたと思います。


私が最も印象深く思ったのは、オンカロについて語る人々の関心事が
つねに「未来への責任」にあるというふうに見えたことです。

「原発に賛成か反対かにかかわらず、今ある廃棄物についてどうするかを
考えるのが国民の責任」

これは、心に刺さりました。

「プルトニウムは石油のように、やがて尽きる。原発を維持するために
プルトニウムをめぐっての争いが起きる」

「放射席廃棄物は決して再処理してはいけない。再処理は核兵器の開発に
結び付く」

認識していなかったことなので、大変にショックでした。
これはオンカロを建設する「当事者」が述べていることなのです。

そして、彼らの危惧は、未来の地球に生きるもの(それが人類なのか、
そうでないのかは分からないとしている)に対して、
「これが危険なものを封じ込めた場所である」というメッセージが
伝わらないのではないか、ということなのです。

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何かにつけて、フィンランドの森の美しい映像がよみがえります。
対照的なオンカロの不気味な、くらやみ。

観た後、時間が経つにつれて考えさせられてゆく、そんな映画だと
思います。

2011.05.06 / Top↑
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