世田谷文学館で開催していた『石井桃子展』に、会期ぎりぎりで行ってきました。
こちらの文学館を訪れるのは初めてです。

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多くの翻訳と著作を通して、101歳でお亡くなりになるまで児童文学の発展と
子どもの読書活動推進に大きな功績を残された石井桃子さん。
その没後初の回顧展は、実際に翻訳に使用された原著や原稿を効果的に
配置することにより、よき本と子どもたちを繋げることに尽力された桃子さんの
誠実なお仕事ぶりが実感できる、とても素晴らしい展示でした。

『くまのプーさん』(岩波書店)、『ちいさなおうち』(同)、
『ドリトル先生』シリーズ(同)、『ちいさなうさこちゃん』(福音館書店)、
『いやいやえん』(同)・・・

どの本も、物心ついたころには家の本棚にあり、3人姉弟がそれぞれの成長段階で
手にしてきたものです。子ども時代の色々を、そして大人になった今も支えて
くれてきた本の世界は、一人の女性が一世紀にわたり、一生を通じ守ってきたもの
だった。桃子さんがいなければ、私はいまこの仕事についていないかもしれない・・・。

資料を通じて、その事実は知っていたつもりでしたが、実際に仕事に使われた
辞書や本や、現地取材の折の写真などを見ると、その真摯で精力的な仕事に対する
姿勢にとても感銘を受け、さまざまな感動が溢れてきて、涙が出ました。


時代は変わっても、前向きに一生を子どもの本のために尽くしてきた桃子さん。

「なんて、やりがいのある仕事なの!」

帰り道、空に浮かんだ雲を見上げながら、今日この日に来てよかった、と
心から思いました。

展示は4月11日(日)までです。

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2010.04.10 / Top↑
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